システムベンダーやPCリサイクル業者への委託

まとめ

2018年07月11日 18時16分

PCの廃棄処分をメーカーに依頼する場合、高いコンプライアンスが期待できますが、有料になります。産業廃棄物処理業者に依頼する場合も有料で、データ消去は自分でやっておくことが望ましいです。しかし完全なデータ消去は素人にはむずかしいことも事実です。
PCリサイクル業者ならば無料か、もしくは安価で、データ消去も安心です。ただ、中には悪質な業者もあるかもしれませんので、Pマークを取得しているか、どのような情報保護対策をとっているかといった点については確認した方がよいでしょう。
しかし全体としてはPCリサイクル業者がもっともお得と言えます。地球にもやさしいので、PCを処分するならPCリサイクル業者の利用をおすすめします。
 
*補足:データの消去について
みなさんは、PC上のファイルやデータを「消したい」とき、どうなさっているでしょうか。
もちろん、「ゴミ箱までドラッグ&ドロップ」、「ファイルのアイコンを右クリックして“削除”」といった操作をおこなうでしょう。たしかにこれで、そのファイルは見えなくなります。もちろん、これだけではゴミ箱の中にファイルが残っていますので、取り出して元にもどすことも可能です。ですからもっときちんと消すために、ゴミ箱アイコンを右クリックして「ゴミ箱を空にする」という操作を行うわけです。ここまでやって、多くの人は「データを消せた」と感じます。
 
ところが、実は、消したと思ったデータはディスク上にほとんどそっくりそのまま残っています。ただ単に、エクスプローラーなどふつうのファイル管理ツールからは見えなくなっているだけです。どういうことかというと、それはHDDのデータ記録・管理方式に関係します。
ハードディスクは、同心円状に広がる記録領域を4キロバイトほどの大きさに区切った「クラスター」を単位にデータを書き込みます。大きなデータは複数のクラスターにまたがって書き込まれます。逆に小さなデータでも最低ひとつのクラスターを占拠します。
ひとつひとつのデータのありか、場所はFAT(ファイル・アロケーション・テーブル)と呼ばれる領域に記録されています。HDDはデータの読み出しを命令されると、まずそのFATを見に行き、そこで知った場所にデータを読みに行きます。
ファイル管理ツールで「ファイルを削除、ゴミ箱を空にする」という操作をしたときにPCが消しているのは、実はこのFATの情報だけなのです。この操作によってHDDは、そのファイルの「住所」を忘れ、「誰も住んでいないはずのサラ地だ」と認識、「今度、別のデータをそこに書き込んでもいいよね」と考えます。ところが実際には、消したはずのファイルのデータは、そっくりそのまま残っているのです。
ですから、ふつうのファイル管理ツールからは無理でも、特殊なツールを使えば消したはずのファイルを見ることができるのです。最近の刑事ドラマでも、容疑者から押収したPCを解析して、消されたファイルを復活させる場面が演じられることがありますので、みなさんもご存知かもしれません。
ちなみに「フォーマット」でも消えません。「初期化」なんだからまっさらになるだろうと思いきや、全然そんなことはなくて結局FATを消しているだけです。データはすべて、ゾンビのようにディスク上で健在です。
プロの手による「データの消去」はもっと徹底しています。詳細はあとでご紹介します。
 

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